第5世代移動通信(5G)は最大ダウンロード速度が20Gbps、最低ダウンロード速度が100Mbpsである移動通信システムであって、高速大容量・超低遅延・多数同時接続などにより仮想・増強現実(VR・AR)、自動走行、モノのインターネット(IoT)技術などを可能にする。
以前のCDMA(2世代)、WCDMA(3世代)、LTE(4世代)が携帯電話と接続する通信網に過ぎなかったのに対し、5Gは携帯電話の領域を越え、あらゆる電子機器を多数同時接続する技術であるという特徴がある。
現在、世界各国が5G技術と市場先占のために熾烈な競争を繰り広げており、関連したグローバル企業の間では特許紛争が多発している。
合意で終結したAppleとQualcommの訴訟をはじめ、SamsungとEricssonの特許訴訟戦、LG電子の特許を買い取ったNPEのSamsung Electronicsに対する訴訟、HUAWEIが米国通信大手のVerizonとその供給者であるHPとCiscoなどに提起した特許侵害訴訟、NOKIAがOPPOを相手に提起したグローバル特許訴訟とOPPOのNOKIAへの反撃など、数多くのグローバル企業の特許紛争が発生している。
各企業は競争企業との訴訟を通じて技術またはライセンシング戦略において優位を占めようとしており、標準特許と関連してもロイヤリティーなどと関連した紛争が絶えまなく続いている。
最近では、ERICSSONとAppleが移動通信技術特許のロイヤリティーをめぐり6年ぶりに紛争を始めており、互いにFRAND原則を違反しているとし両者は一歩も譲らない。
過去の4世代移動通信関連の特許訴訟の結果や最近のグローバル企業の特許戦略をみると、製品の販売禁止を伴う紛争の深刻化よりはロイヤリティー合意、クロスライセンシングなどの結論に至ると見られ、どのような企業が5G技術分野で特許競争力を見せつけるのかが注目される。