A.出願統計の分析
韓国特許庁が2023.12.15.発表した知的財産統計動向によると、2023年1月から11月まで、特許、実用新案、デザイン、商標の累積出願件数は前年同期比0.2%増加の499.314件であった。これは、2022年同期比、2023.5.までは2.1%、2023.9.までは0.5%減少したのに比べると、2023年下半期に入り出願件数がかなり増加したものと評価できる。
各知的財産権出願をみると、累積件数を基準に特許は前年同期比2.9%増加の213,185件なのに対し、デザインは3.0%減少の49,775件、商標は1.7%減少の233,879件、実用新案は12.5%減少の2,475件であった。
知的財産権の中で唯一特許だけが2023年の前年同期比で増加し、その他の知的財産権は減少したことを確認した。ただし、特許の出願件数が、第2及び第3四半期に、前年同期比各々3.7%、3.0%増加したことに比べると、その増加傾向が鈍化している。その反面、デザイン、商標、実用新案の出願件数は2023.5.以後、相対的な増加傾向を維持しつつ出願件数の回復傾向を見せており、特に商標の場合は第2及び第3四半期当時に各々6.1%、2.6%減少した数値と比べるとその回復傾向がかなり速いことがわかる。
特許及び実用新案の審査請求の場合は、前年同期比1.2%減少したが、前年同月比11月には1.7%増加したのを確認した。
B.登録統計分析
知的財産権の登録件数をみると、前四半期と同様に増加したことが分かった。全体の登録件数は前年同期比11.1%増加の331,704件と集計された中で、商標権は32.1%増加の161.237件が登録となり、前四半期比上昇幅は減少したが依然として全体の登録件数の上昇を牽引した。一方で特許、デザイン、実用新案は各々0.9%(123,777件)、9.3%(45,524件)、14.3%(1,166件)減少したことが分かったが、特許及び実用新案の場合、その減少幅は減った。
C.審判請求
審判請求は前年同期比15.3%増加の6,828件であった。これは、およそ12%の増加を記録した第2ないし第3四半期と比べても、かなりの増加であり、このうち特許関連事件が2908件、商標関連事件が3594件を占めた。このような数値は、商標2,960件及び特許2,451件の第3四半期と比べると、各々第4四半期中に、各々約500件前後さらに受け付けた中で、特に商標関連事件の増加が目立った。
2. 2023年の知財活動の調査
韓国特許庁は2023.12.29.、1,400社の企業と282か所の大学及び公共機関を対象に実施した知的財産インフラ領域、知的財産の主要活動などを調査した結果を発表した。今回の調査結果は、企業と大学·公共(研)に区分して発表され、主な内容は下記の通りである。以下、括弧内の数値は、直近調査比の減少率乃至増加率の近似値を示す。
1) 知的財産活動インフラ
- 知的財産担当組織保有率: 50.1% (3%pt増加)
独立専担部署として保有する割合: 1.8% (1.3%pt減少)
- 知的財産担当人力保有率: 95.8% (2.3%pt減少)
専担人力の保有割合: 17.0% (6%pt増加)
- 担当人力の平均数:1.8名
平均専担人力数: 0.3名
- 知的財産担当者に対して教育を実施した割合:36.9%(8%pt増加)
- 外部専門機関の知的財産サービス利用率: 68.1% (0.2%pt増加)
2) 知的財産の活用と成果
- 外部知的財産の導入
国内で1件以上導入割合:11.6%(平均4.4件、 1.2%pt増加)
海外で1件以上導入割合:1.3%(平均5.5件·0.7%pt増)
- 海外出願
1件以上の出願企業: 20.3% (4.6%pt増加)
登録した企業: 15.1% (4.9%pt増加)
- 職務発明補償規定の保有割合: 41.4% (1.1%pt増加)
- 補償類型
発明申告·出願·登録時41.0%
出願留保時 13.5%
実施·処分時 16.8%
- 権利類型別の活用率
特許権: 国内 72.9%、海外 68.4%
実用新案権:77.6%
デザイン権:64.2%
商標権: 70.0%
3) 特許基盤の知的財産活動
- 段階別の活動率-成果創出段階での比率は増加し、R&D企画及び管理段階での比率は減少
先行特許(技術)調査遂行比率:62.3%(9.4%pt減少)
職務発明承継可否審査乃至自動承継率: 42.8% (5.9%pt増加)
保有知的財産権実査遂行率 : 28.8% (12.8%pt減少)
- 取引機関及びマーケティング会社との協力比率
業務依頼及び協約締結率
大学·公共(年):18.9%
国内公共機関:12.2%
技術取引会社(国内):11.2%
技術取引会社(海外):4。0%
技術取引システムの活用率
国内オンライン: 24.5%
国内オフライン: 24.4%
海外オンライン: 18.7%
海外オフライン: 18.9%
ロ.大学·公共(研)部分
1) 知的財産活動インフラ
- 知的財産担当組織保有率: 98.2% (0.3%pt減少)
R&D組織又は産学協力団形態:90.7%(1.4%pt減少)
一般行政組織内保有: 7.5% (1.1%pt増加)
- 専担人力の保有割合: 47.8% (2.8%pt増加)
- 専担人力の平均数
全機関の平均:2.0名(0.1名減少)
専門人力保有機関の平均:4.2名(0.4名減少)
- 知的財産担当人力に対して教育を実施した割合:68.5%(2.7%pt増加)
- 外部専門機関の知的財産サービス利用率: 88.0% (4.4%減少)
2) 知的財産の活用と成果
- 海外出願
1件以上の出願率: 52.9% (2.3%pt増加)
登録の割合: 39.1% (0.1%pt 減少)
- 職務発明補償規定保有割合: 93.2% (0.8%pt減少)
- 補償型
発明申告·出願·登録時 89.6%
出願留保時 15.4%
実施·処分時 88.1%
- 権利類型別活用率
特許権: 国内 27.0% (0.9%pt減少)、海外 36.3% (4.2%pt増加)
デザイン権: 11.6%
3) 特許基盤の知的財産活動
- 段階別の活動率-成果創出·管理段階での比率は増加し、R&D企画段階での比率は減少
先行特許(技)調査遂行率:70.5%(0.7%pt減少)
出願前審査比率 : 72.0% (1.4%pt増加)
保有知的財産権実査遂行率 : 62.6% (1.1%pt増加)
- 研究開発成果の処理比率
公式的権利保護(特許権出願等)比率:92.1%
非公式的権利保護(営業秘密など)比率: 1.4%
出願留保又は放棄率:6.5%
- 技術取引及びマーケティング目的のための外部機関及び企業との協力率
国内企業:29.9%
国内公共機関:42.9%
技術取引会社(国内):40.7%
技術取引会社(海外):7.1%