小規模企業の場合、会社運営に使用する商標の権利を代表取締役乃至役員、または関係者の名義にしておくか、必要に応じて代表と会社との間で商標権者の名義を無償で変更する手続が頻繁に行われてきた。しかし、近頃では、商標権が一つの無形「財産」としてその価値に対する評価が向上しており、商標権を誰の名義で取得するのかが重要になるだけでなく、その譲渡に対しても正当な代価及び手続きが伴わなければならないという認識転換が求められている。
以前、大法院は、「小規模会社の取締役が自分で会社と取引をする前に、株主総会で該当取引に関する重要事実を明らかにし、株主総会の承認を受けていない場合、特別な事情がない限りその取引は無効」であると判示したことがあり(大法院2020.7.9. 宣告2019ダ205398判決)、特許法院はこれを引用し、「会社代表と会社との間でサービス標移転契約をする際に、それに先立ち株主総会で該当取引に関する重要な内容を明らかにしたか、又は株主総会決議を経ていない場合、当該サービス標権移転契約は無効」であると判断し、これによりサービス標権利移転登録は抹消となるべきであると判決した(特許法院2023.8.24.宣告2022ナ1661判決等)。
商標権が財産として持つ価値に対する評価が高まっていることを鑑み、移転登録の無効、公正取引委員会乃至国税庁の課徴金/課税処分等を避けるためには、商標登録及び譲渡において適切な手続を行ったのか、登録手続で発生した費用の執行及び譲渡に対する対価の支給が準拠法の規定上適切に行われたのか等に対して注意する必要がある。