- 「商標コンセント制度」導入のための商標法改正案国会本会議通過
来年4月中に施行予定··· 中小企業・小規模事業者の安定的な商標使用を期待
商標登録料返還対象の拡大等、出願人のための制度も共に改正
A地域で飲食店開業を準備しているA氏は最近、特許庁から使用予定の商標と類似した先登録商標があるという理由で登録が不可能であるという通知を受けた。確認したところ、地理的にも遠く離れたB地域でB氏が類似した名前の飲食店を運営していることがわかった。B氏は、地理的な違い、販売するメニューの違い等により消費者が両店を誤認·混同する恐れがないと判断し、A氏の商標登録を許可したが、これは現行法上受け入れられなかった。 結局、A氏は、損害を甘受して製作した看板や食器等を全て廃棄せざるを得なかった。
今後、類似の先登録商標により、自分が使用予定の商標を登録できない小規模事業者の悩みが減るものとみられる。いわゆる「商標コンセント制度」が導入される予定であるからだ。韓国特許庁は、商標コンセント制度の導入を骨子とする商標法一部改正法律案が10月6日、国会本会議を通過したことを明らかにした。
商標コンセント制度とは、先登録商標権者及び先出願人が同意する場合、同一·類似の後出願商標も登録を受け、使用できるようにする制度を称する。ただ、需要者の保護のために、共存することとなった商標のいずれか一方でも、その後不正目的で使用され、需要者へ誤認·混同をもたらした場合は、登録を取消すことができる。現行制度下では、先登録商標又は先出願商標と同一·類似の後出願商標は、登録が拒絶される。統計によると、全体の拒絶商標のうち40%以上がそれを理由としており、そのうち約82%が中小企業及び小規模事業者が出願した商標に該当する(2022年基準)。
彼らは、使用予定の商標登録が拒絶された場合、経営に深刻な不安材料を与えるという点で、市場の現状を反映して商標登録の許容範囲を拡大すべきだという声が提起されてきた。商標コンセント制度が導入されれば、先商標権者の同意を得た上で使用予定の商標の登録を受け、使用し続けることができるようになるため、中小企業·小規模事業者の安定的な商標使用が可能になるものとみられる。また、先商標権者が事前に類似商標の使用に同意することになるので、今後発生し得る商標紛争を未然に防止する効果も期待される。
米国、シンガポール等の海外の主要国においても既に同制度を導入し施行しており、日本も昨年6月に同制度の導入のための法改正案が国会で可決され、施行を控えている。当該制度は2024年4月中に施行されると予想される。ただし、制度適用対象の幅をより広めるために、施行以前に出願したとしても施行時点で登録の如何が確定されていない出願件に対しても遡及適用される。
今回の改正案には商標コンセント制度の導入以外にも、▲新しい存続期間の開始前に商標権が消滅した場合、既に納付した更新登録料の返還、▲変更出願時に原出願の優先権主張の自動認定▲国際商標の分割認定等の約10件の制度改善事項が含まれ、より多様な側面で出願人の権益保護及び便宜の向上に貢献できる見込みである。韓国特許庁のイ·インシル庁長は「商標コンセント制度は商標使用当事者の便益の向上と審査官の負担軽減の両立ができる一石二鳥の制度」であるとし、「初めて導入される制度だけに混乱は最小化し効果は極大化できるよう、広報·下位法令の整備等の制度施行のための準備に万全を期する」と話した。
※ 出典:特許ニュース(https://www.e-patentnews.com/10365)
「コムピョミルメクチュ(熊印麦ビール)」生産中止··· メーカー&商標権者の紛争が公正取引委員会へ
セブンブロイ“公取委へ提訴…ライバル会社に技術伝達”
大韓製粉“独自のレシピ製造…虚偽事実に対応”
クラフトビールブームに乗って全国的に印象づけた “コムピョミルメクチュ(熊印麦ビール)”を巡り、ビールメーカーのセブンブロイビールと商標権者である大韓製粉の間の葛藤の溝が深まっている。
酒類業界によると、セブンブロイは先月、裁判所にコムピョ小麦ビール販売禁止仮処分申請を出したのに続き、6月15日には大韓製粉を公正取引委員会に提訴した。
セブンブロイは最近、参考資料を通じて大韓製粉がセブンブロイの技術をライバル会社に伝え、事業活動を妨害したとした。大韓製粉がセブンブロイとの契約を終了した後、別のメーカーである済州ビールとコラボし、コムピョミルメクチュルシーズン2をリリーズすることにしたが、シーズン2の製品が以前セブンブロイとコラボした製品と同一であるという主張である。また、セブンブロイは、大韓製粉が昨年4月頃、コムピョミルメクチュを直接海外に輸出すると通知してきたことで、契約中断を懸念して全ての輸出事業を大韓製粉に渡すしかなかったと主張した。
大韓製粉は、セブンブロイが提出した仮処分申請に対し、“事実を歪曲する無責任な処置”であるとし強く反発している。大韓製粉は6月19日声明書を出し、“セブンブロイとの商標権契約は3月に終了した”とし、“セブンブロイに継続してコラボすることを提案したが、それには応じず製品の発売を控えて突然仮処分申請した”とした。また、“再発売するコムピョミルメクチュは新しいパートナー会社(済州ビール)独自のレシピで生産される”とし、“まだ発売していない製品に対して疑惑を提起することは、客観的事実を歪曲する無責任な処置”であると批判した。
セブンブロイがコムピョミルメクチュのデザインを指摘したことに対しては、“コムピョブランドの大切な資産であり大韓製粉が所有権を持っている”とし、“セブンブロイが提起した『デザイン奪取又は盗用』の主張は事実関係に符合しない”と付け加えた。
一方、コムピョミルメクチュは、セブンブロイと大韓製粉が2020年5月リリーズしたビールであり、発売以降5850万缶を販売した“ヒット”商品である。セブンブロイは4月商標権使用契約が終了すると、既存のコムピョミルメクチュの名前を‘デピョミルメクチュ’に変更し、製品のデザインも熊にかえて虎のキャラクターに変更した。
出所:月曜新聞(http://www.wolyo.co.kr)